インドネシアにジャムゥと言われる飲み物がある。生薬を調合した漢方ドリンクのようなもので、民間では立派に医療としての地位を確保している薬のようなものである。
ジャムゥの店は、その多くが市場の片隅に店を構えていて、女性のみが口承で伝えるレシピのない医療人類学的存在である。しかし、貧しい人たちだけのものというわけではなく、ある程度教養のある人や地位のある人たちの中にもきちんと根付いていて、むしろ、後付として医療の分野での解析が現在進められている。 ジャムゥがユニークなのは、漢方薬のような乾燥した素材ではなく、あくまで生の植物を調合して、生のままジュースの形で人々に利用されるという点である。保存のきかない生の素材を利用するということは、そういった材料が豊富に手に入るインドネシアの気候があってこその文化であるといえよう。また食べもの(植物)に対する土着的な意識が見え隠れしているようで興味深い。 ジャムゥという名前は、ややもするとインドネシアがジャム文化の源流であるとするなんらかの仮説の、一つの証拠になるかもしれない。しかし、オランダの統治下にあったインドネシアであるから、そのあたりは文化が複雑だろう。未だ答えを見つけられずにいる。もちろんオランダにはたくさんのジャムを使ったお菓子が存在している。 今週末、小学3年生から中学生までを対象に、ジャムを使ったパーティーのワークショップをします。 息つく暇もなくジャムにおぼれる日々。のどが焼けるほど甘い日々。
by nakayamaharuna
| 2005-07-11 00:33
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