カテゴリ:books( 12 )

アゴタ・クリストフ

b0016054_10453420.jpgハンガリーの作家。幼少期を第二次大戦の戦禍の中で過ごし、1956年には社会主義国家となった母国を捨てて西側に亡命した。
彼女の処女小説となった「悪童日記」は、戦禍を生きるふたごの成長を、極めて特異なスタイルで書いた優れた作品である。淡々と出来事のみを記録していく文体は、冷たくもあり愛おしくもある不思議な小説に仕上がっている。また続編が二作品あり、三部作となっている。読者の期待をけして裏切らない秀作である。

アゴタ・クリストフ「悪童日記」早川文庫:amazon.co.jp
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by nakayamaharuna | 2007-03-15 11:02 | books

電車のなかでも旅をする

b0016054_057564.jpgキント雲でぴゅん!
気持ちのいい漢詩にうっとり。
通勤電車のなかでも頭のなかは自由自在。
→ 「西遊記」岩波書店,1997

なによりも文章が素晴らしいのです。華麗なる訳とはこういうものか!と。
中野美代子 WIKIPEDIA
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by nakayamaharuna | 2006-07-17 00:58 | books

コーヒー哲学序説

b0016054_22484947.jpgコーヒーを淹れるのが好きである。飲むより、淹れる方がよい。
コーヒーを淹れるには、豆をひいて、お湯を沸かして、フィルターをセットして...とやるべきことがたくさんある。何かから気分を転換するには、多少の集中を必要とする、こういういいにおいのするような行為がちょうどよい。
ついつい豆をひくのが面白くなり、細かくひきすぎたり、多めにひきすぎたりしても、気にしない。コーヒーの味より、その過程が重要なのである。だからといって、安い豆は使わない。においがよくないからである。
したがって、コーヒーを入れることに満足して、作業に戻り、飲み忘れることがある。しかしそんなことはどうでもよい。飲むより、淹れる方が、ずっとすっきりする。

寺田寅彦 コーヒー哲学序説
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by nakayamaharuna | 2005-09-03 22:46 | books

裸だったり髪がぼーぼー

b0016054_21472524.jpg地球の上に生きる」は、初版が1972年。ヒッピーカルチャー全盛時代の本である。
カラシ色のカバーの中には、活字が一切ない。手書きの文章と言葉で、家の建て方から生活に必要な道具(服、サンダル、ろうそく、うつわ、楽器等々)の作り方、出産の仕方、死人の焼き方などがのっている。もちろん植物(言わずもがな大麻の絵)の育て方や、調理の方法なども。
描かれている人はだいたいにおいて裸だったり髪がぼーぼーなのがおもしろい。一部のヒッピーみたいに、精神論を押しつけがましくすすめる内容ではないので、この夏キャンプに行く予定の人などは読んでみると面白いはずだ。普通のキャンプ術とは異なる自然とのつきあい方がかいてある。
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by nakayamaharuna | 2005-08-04 22:15 | books

うごいたほん

b0016054_23581726.jpg展示終わりました。みのりある2日間でした。
本の重さを足で支えながら読書していたのですが、ヨガのようだねと言われた。なるほど針のむしろに座りながら座禅しているような感じもしなくない。
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by nakayamaharuna | 2005-07-07 00:16 | books

あっちとこっち

b0016054_20393571.jpg生活範囲内には、たまにおかしな人がいる。彼らはあだ名がつけられ、そして私たちの世界に常駐するものである。
たとえば、記憶に新しい騒音おばさんとか、女装しているおじさん、毎朝ホームで電車の車掌ごっこをしている男の子、警察みたいな格好をして交通整理をしているおじさんも、それらの中に入るかもしれない。

先日、路上で作品制作をした。パフォーマンスである。作品の部分である本を並べていたところ、自転車に乗った小学生が来て「どれにしようかな〜」と覗き込んでくる。どうやらバザーかなにかだと思ったらしい。確かに場所は駐車場で、アメリカのガレージセールを彷彿とさせるシチュエーションである。が、わたしは魔法陣のように円状に並べている。
「なんでまるく並べるの〜」
「オリにするんだよー」
「..........」
無言で去っていった。

その一瞬で、騒音おばさんたちが私とおんなじラインに並んでいた。そのあと、しばらくの間、これからの自分について、考えてしまった。いやだあっちに行きたくない。
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by nakayamaharuna | 2005-06-27 21:01 | books

話がちがうよ

b0016054_043323.jpg太宰治のチャンスによれば、恋愛は意志だそうです。私は"おしの"みたいに突っ走る人間なので、太宰のような男性がにくくて、くやしくてたまらない。
彼の文章は妙な孤独感を私にうえつけるので、それがまたずるいんです。けれどやっぱり、自分の孤独感は絶対なので、ひとりでヒルズの展望台に行ってみたりするわけです。
畜生。太宰のやつ、まんまと羽目やがって。こんな文章、きっと明日の朝には消してしまうかもしれない。
そういうふうに、文学が好きです。
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by nakayamaharuna | 2005-06-01 00:58 | books

アヂンコートの夕方

これを恋愛といわず、なんというのか。
百鬼園先生の「アヂンコート」を拝読する。「ノラや」「ネコロマンチシズム」もそうであるが、先生の文章はロードムービーのような趣がある。文章の中には、ゆるやかな移動感が存在していて、探しものをしているときの百鬼園先生は、とりわけ美しい。
「アヂンコート」はドイツ語を教えていた女性の、空襲後の安否を追い求める話。気持ちや物理的な場所の、あわい距離感にこらえきれないかんじがする。
電車の中で何度も何度も読みながら帰宅し、新聞に目を通していたら、なんと百鬼園先生の命日だということだった。
枕元のグラスには、半分飲み残したシャムパンが置かれてあったそうである。享年八十一歳。
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by nakayamaharuna | 2005-04-20 19:41 | books

ラチとらいおん

b0016054_2233653.jpg福音館書店主催のマレーク・ベロニカさんの講演会に行ってきました。
会場にいた人の多くが出版関係や書店関係者だったようで「あっ、紀伊國屋の○○さーん!」みたいな声があちらこちらから。そういうときは、彼・彼女らが本屋エプロンをしたらどうなるか、という想像をしてみると、理解の助けになります。
生ハンガリー語を聞いたのは初めてでしたが、講演の途中でさらさらさらと絵を描いてくれるので、言語が違うというのをしばし忘れるほどでした。もうかれこれ20年のつきあいになる「らいおん」のナマにも出会えましたので、満足です。
帰りにサインももらいました。こういうときは恥とか余計なことを気にすると、あとで悔しい思いをするので、突き進むのみです。ゴーゴー!
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by nakayamaharuna | 2005-02-18 22:42 | books

手作りという付加価値

b0016054_23365896.jpg手作り、という概念には、おもしろい付加価値がかかることがあるので、注目している。それらを尊重しているのではない。どれだけ時間と思考を注いだか、というのが問題ならば、バレンタインデーの"簡単手作りチョコレートキット"などは店頭に並ぶまい。まぜて焼くだけで、なにか目に見えないものが数倍になる。それをもらう多くの人が、市販の贈り物と異なった感覚を得る。同じ値段のデメルのチョコレートの方が美味であるが、溶かしてまた固めたチョコレートには、不思議な付加価値がつくのである。
チョコレートに関しては、カカオから私たちの目にするチョコレートの形へと加工する過程の、そのほぼすべてが国外で行われているため、そういう一連の手作りに関する付加価値の感情が、顕著になる。

冷静に見るべきである。

出来上がった今年の手帳。きちんと糸で綴じました。1年間保つかどうか。
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by nakayamaharuna | 2005-01-26 00:14 | books