ロンドンのバスにはいろいろ思い出がある。
ヒースローに着いて、ホストファミリーのもとに行くために、着いて早々バスを2本乗り継いだ。英語もわからなくて、小銭もなく、ものすごく重いスーツケース。よくわからないまま、2本のバス共にただ乗りした。怒られたけれど、英語がわからなかったから、免罪された(気がした)。 そしてもう一つの出来事は、ホストマザーに「日本人は子供に見えるから」と子供料金でバスに乗るように勧められたこと。大人£2.5が子供だと£1で乗り放題なのだ。何度ドライバーにとめられても「IDもってない。私15才」と言い放ち続けた。でも4ヶ月の間、15才としてここで暮らすうちに、私はどんどん年をとって、ついに致命的な出来事に出くわした。 クリスマスの混沌が違法乗車の取り締まりを厳しくしたのだ。12月のある日、私はついにバス会社のインスペクターに捕まった。「IDもってない」では許されず「何年生まれか」の答えにつまってしまった。住所を聞かれて、あとで罰金(£10)を請求するといわれて、終わった。 その日の帰り道、一週間分のバスパスを買った。子供のそれと、値段はそんなに変わらないじゃないか。なのに、後ろめたい気持ち無しにバスに乗れる。最高の気分だった。 ロンドンはバスがあればどこにでも乗り継いでいくことができる。郊外に住む多くの学生が、1時間も2時間もバスを乗り継いで週末ロンドンに出てくる。ぼんやりとバスの2階から眺めるロンドンの風景は、何よりもリラックスできる時間なのだ。たまにだれかがけんかを始めたりしても、また愛嬌である。
by nakayamaharuna
| 2004-12-28 17:42
| London
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